■ 秋に成績を伸ばすために夏休みにはどのような点に注意すべきか

そろそろ夏休みですね。自由が丘もコンクリートに囲まれとても暑い日が続きます。中学受験生のみならず、高校受験、大学受験を控えた学生たちが大きな鞄を抱えながら、夏期講習に向かう姿がちらほら見られるようになりました。ぜひ第一志望校への合格に向けて頑張ってほしいものです。

今日は秋に学習効率を高めるための夏休みの過ごし方についていくつかのアドバイスをしたいと思います。

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※画像はイメージ 画像:足成

■ 夏休みには勉強だけでなく学習効率を高める工夫をしていこう

① 計画の管理をきちんとしよう

子供にとっては心躍る夏休み。少し油断するとどうしてもダラッとしてしまいがちです。多少大目に見てあげたいところですが、受験学年ではやはり厳しくしたいところ。心を鬼にして学習計画表を作り、計画が進んでいるか否かを親御さんがきちんとチェックして、お子さんをマネジメントしていきましょう。

計画通りに進んだか否かももちろん大切ですが、一日の終わりには「今日は何の勉強ができたのか」「(もし計画通りに勉強ができていなかったら)今後どう改善していくか」といった点を親子で必ず確認するとよいでしょう。そして計画通りに進んでいたらおおいにほめてあげてください。子供をのせて勉強させるのも親御さんの腕の見せどころです。

夏休みはこういった「計画を立て進み具合を確認し、できなかったら改善する」という一連の作業をするのに適した期間です。夏休みにこの癖をつけておけば、きっと秋以降にお子さんは想像以上に成績を伸ばしてくれることでしょう。


② 具体的な数字で目標の管理をしよう

計画の管理をすると同時に、各科目で具体的に短期的な目標(1日で漢字を何問)と長期的な目標(1カ月で漢字を何問)を組み合わせて「夏休み中にどれだけの課題を消化するか」という目標を立ててみましょう。これはかなり面倒な作業ですが、ただ単に「偏差値をいくつあげる」と漠然とした目標を示すよりも、具体的な数字で消化すべき目標を示したほうが子供にはわかりやすいですし、夏休みを終えた際に「君はこれだけの勉強をしたのですよ」と具体的に見える数字を示すと子供は相当自信をつけることになります。こういった学習の「見える化」を親御さんにしてもらえるとうれしいです。

また、このような学習の「見える化」の作業は目標を達成することだけが目的ではありません。この作業を行うことにより、お子さんの課題処理能力を知ることができます。まもしお子さんが週に漢字を200題こなしても余裕であれば、次は週に漢字を300題、400題とハードルをあげることができます。お子さんの課題処理能力を具体的な数字で知ることにより、秋以降の計画が立てやすくなるでしょう。


③ 志望校を意識しよう

志望校を意識させることは大きなモチベーションの向上につながります。機会があれば自主的に受験予定の学校の見学(学校には許可がないと入れないでしょうから、周辺を見学するなど)をしてもいいかもしれませんね。


■ 得点力を向上させよう

④ 基本を徹底させよう

国語なら漢字や四字熟語・慣用句などの知識事項、算数なら一行計算、社会なら暗記事項など。これらの基本を秋以降にこなす余裕はありません。もし基本に不安があるならば、先を急がず夏休みを利用して集中的に基本を徹底させてください。特に成績下位から中位のお子さんで逆転合格を狙いたい場合は、とにもかくにも夏休み中における基本の徹底が課題となります。


⑤ 苦手科目・苦手項目の底上げをしよう

得意科目・得意項目を底上げすることはそれほど難しくない作業ですが、苦手科目・苦手項目を底上げするにはやはり時間が必要です。学校が始まる9月以降に苦手科目・苦手項目に取り組むことは受験生にとって大きな負担となります。夏休み中に苦手科目・苦手項目の克服をしていきたいところです。

大切なのは全ての苦手科目・苦手項目を克服しようとしてお子さんに無理をさせないこと。そして苦手科目・苦手項目をひとつでも克服できたら、おおいにほめてあげてください


⑥ 得意科目・得意分野を絶対的な武器にしよう

夏休み中に苦手科目・苦手項目に力を入れ過ぎるあまり、得意科目・得意分野をおろそかにして実力を落としてしまうケースがまれにあります。また周囲の受験生も実力をつけてくるため、これまで得意科目・得意分野であったものが相対的にそうではなくなっていたなんてこともあります。

夏休みに実力をつけてくるのは、お子さんだけではありません。親御さんが中心となって総合的なマネジメントをしてあげてください。


⑦ 志望校の過去問題に触れてみよう

夏休みの段階で、科目や問題によっては志望校の過去問題を解くことは可能ですが、この時期にはまだ志望校の過去問題を解くにはまだ時期尚早かもしれません。しかし、やはり実際にお子さんが受験する予定の学校の過去問題を実際に目にすることにより、モチベーションの向上が期待できます。もし古い過去問題集が手に入るのなら、古い年度の問題を目に触れさせる(あくまで目に触れさせるだけです)のも効果的でしょう。




■ 受験まで半年、体調管理には気をつけましょう

⑧ 体調管理をしっかりとしよう

ここから半年、お子さんの体調管理は親御さんにとって重要な課題になります。一回風邪をひいただけでも3日は勉強が遅れます。朝食をしっかり食べる、夏はこまめに水分補給をする、帽子をかぶらせる、睡眠をしっかりとらせるといったところから、お子さんの体調管理していきましょう。


⑨ 遊ぶ時は遊ぼう

夏休みは遊べる最後の時期。1週間のうち1日くらいは思い切り遊ばせてあげて下さい。太陽の光をあびたり、花火を見たり、虫を捕まえたり…、たまには息抜きすることも必要だと考えます。


以上の9つのことを勝手ながらアドバイスさせていただきました。みなさんぜひ充実した夏休みを送ってくださいね。


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