■ (私の中で)評価が高い浜島書店の世界史資料集
今回は難関大学の大学入試に対応した世界史の資料集について。世界史を選択して難関大学の受験を志望している人、特に慶応義塾大学の志望者は必見かもしれません。
大学入試の世界史の学習で「資料集は何がよいか」という話になるのですが、私はこの「NEW STAGE 世界史詳覧」(浜島書店)をすすめています。
世界史の資料集は各社どれも工夫して、丁寧な作りをしているのですが、やはり浜島書店のこの資料集の右に出る者はありません。
山川の世界史資料集もよいことはよいのですが、やや情報の密度が薄い印象があります。特に年表は情報不足ですし、山川の用語集で数字が小さいのだけれど重要な人物や事件に(同じ山川ブランドであるにもかかわらず)意外と対応していないというか表記がなかったりすると…。
■ 実践的な作りの「NEW STAGE 世界史詳覧」
だから、生徒が早慶上智のテーマ史などの過去問を解いて自己採点して、資料集でそのテーマなどをチェックしても、なんだか上の空だったりすることが多いのですね(この感覚をわかっていただけるでしょうか)。
それが浜島書店の「NEW STAGE 世界史詳覧」だと、そういうことがあまりない。かなり入試問題に対して実践的に作り込んであるから、(一見すると)マニアックな用語や人名でもサラッと書いてあったり説明されている。一言で言うなら「情報密度が濃い」のです。だから早慶上智の過去問を解いても「あ、ここに書いてあるじゃん」という感じで復習できると。
ちなみに「NEW STAGE 世界史詳覧」は、過去に慶応義塾高校の世界史の授業で採択されていました(塾高=慶応義塾高校の生徒を指導する機会が多いので、こういう面白い情報がよく集まります。ちなみに付属高校で使用されている教材は大学入試の問題を予想するうえでものすごく役立ちます)。
内容はマニアック過ぎず、かつ高校生が覚えておくべきギリギリのラインを見事に押さえており、実によくできた良書だと思います。繰り返しますが、かなり入試問題に対して実践的です。
ですから慶応志望者には、この浜島書店の資料集と山川の用語集を徹底的に学習させることにより、慶応の世界史で皆高得点をたたき出していました(これは企業秘密だったのですが、もういいでしょう)。
■ 慶応の世界史受験者にはおすすめの一冊
慶応の世界史は(例えば法学部や文学部での出題など)選択肢の用語が難しいという評価が与えられていますが、本書にはきちんと出ていたりすることが多く、本当に重宝しました。
この本と山川の用語集をベースに慶応世界史問題の出題が決まっているのではないかと思わせるぐらいの内容だったのです(あと慶応の場合は現行版のひとつ前の用語集を一冊手元に置いておくといいという裏技もあります)。
もちろん慶応のみならず、早稲田・上智・青山学院・明治・中央といった難関私立大学の世界史に対応した一冊だと思います。特にマニアックな用語を好む学校・学部で実力を発揮する一冊です。
マニアックな用語系問題は、無駄な本に手を出さずに、この本と山川の「世界史用語集」を入手し、徹底的にチェックし覚えて下さい。
■ 世界史のおすすめ参考書
ついでに世界史のおすすめ参考書をいくつか挙げます。
世界史の流れに不安のある人は、やはり「ナビゲーター」。教科書では分からないという人におすすめ。こちらも相当な力作です。
早慶志望者で世界史を得点源にしたいなら「詳説世界史研究」。過去問題の研究の際に手元に置きたいところ。
そして世界史を選択して難関大学の受験を考えているならノート作りは必須。世界史のノートはどれも一長一短ありますが、やはり山川がベスト。「詳説世界史学習ノート」と「各国史ノート」をペアで。
以上を世界史学習のベース教材としてそろえれば、自学自習しても早慶上智レベルの世界史まで対応可能だと思っています。
▶最近読んだ本の感想:「世界史」中公文庫(ウィリアム・H. マクニール, William H. McNeill)
▶高校生:日本史・世界史どっちを選択すべきか(比較・メリット・デメリット)
▶上智・MARCH(明治・青山・立教・中央・法政)が第一志望の受験生への勉強方法アドバイス