■ 小学生のノートの書き方と中学受験の合否
今日は小学生のノートの書き方(取り方)と中学受験の合否について。果たして両者には相関関係があるのでしょうか。
今日はタイトルにもある通り、ノートの書き方で中学受験の合否が決まるか、ノートの取り方は大切か否かという点について個人的な意見を述べてみたいと思います。
小学生から高校生までノートがきれいな子、汚い子、様々な生徒がいます。
■ 東大生のノートは実は汚い!?
正直に言うと、ノートの書き方で「合否が決まる」は言いすぎかもしれません。一時期、東大生のノートはきれいだ、整理されていると言われましたが、私自身の個人的な経験から言わせてもらうと、面白いことに勉強のできる人間、頭のよい人間(特に男)ほど、ノートの取り方や字が汚かったりしたものです。そして彼らの言い分はそろいもそろって「自分が理解できればOK」というもの。
私自身はきれいな文字ではないのですが、知り合いの東大卒の人間は、それ以上に何が書いているのか解読不可能な字を書きました。ノートもひっちゃかめっちゃか。でも本人は読めるので全然気にしていない。でもやっぱり「自分が理解できればOK」なのです。
自分なりに解釈したのですが、彼らの場合は「速記」に近いのかもしれませんね。ノートや字は汚いけど、彼らの頭の中できちんと理解できているので何も問題ないのです。
■ 進学校に通う生徒でノートが汚い子は少なくない
高校生の生徒でも、いわゆる進学校に通う生徒で「こういう子は天才というのだろうな」という子供の中には、ノートの取り方や字が恐ろしいほどに汚い子が少なくないのも事実。どうやって受験に合格したのか興味があり聞くと「試験のときはきちんと書く」と言うのですが、模試の回答を見てもきれいとは言い難いのです…。
いやいや、それはまずいよと修正させようか悩みどころなのですが、高校生で学力がひじょうに高いのであるのならば、無理に修正させて自分のペースを乱しても困るので、修正はしません。
また、こういった「学力は高いのにノートや字が汚い」という生徒は決まって男子なんです。女子で学力が高い子は総じてノートや字はきれいなもの。このあたり実に不思議なんですね。
■ 成績が伸びない小学生がノートを丁寧に作ることは大切
もちろん、この例をそのまま一般的な生徒、特に成績が伸びない小学生に当てはめるわけにはいきません。成績が伸びない小学生の場合、総じてノートの取り方が汚いため、学習効率が悪くなっていることも多いのです。
例えば1冊のノートに国語も算数も書いている子、よくいますね。斜めに文字を書いている子もいます。ノートのマス目の存在を無視したそのおおらかさは、大物になる予感を感じさせますが、成績が伸びない小学生ならば絶対に修正したほうがよいというのが、多くの指導者の見解でしょう。
■ ノートが汚いと学習効率が落ちる
文字のきれい汚いは関係ありません。それは仕方のないことですし、入試の現場においても丁寧に文字が書いてあればかなり許容されます。
しかし、ノートが汚い子、色々なノートに書き散らかしている子の場合、結局どのノートに何が書いてあるかわからないため復習作業に手をつけない、そして学習した内容を忘れてしまうことにより、また同じ作業を始めから繰り返す傾向にあります。
部屋が汚い、散らかっている場合と同じです。「あれ、鍵はどこだ?」「ハンカチはどこだ?」-どこに何があるか分からない。これは、きちんと片づけをしていれば、どこに何を置いたか場所がすぐに分かる。しかし散らかっていれば、探す作業に時間をかけてしまう。これと全く同じことになります。
ノートの取り方も同じことですね。特に成績が伸びない小学生でノートが汚い子は、受験勉強においては、かなり非効率的な学習をしているのです。
もし、お子さんがノートの取り方が汚い、複数のノートに分けてしまう、または1冊のノートに複数教科の内容をまとめて書いてある子は、今のうちにそれを直していかないと、大学受験に至るまで苦難の道をたどることが容易に予想できます。
■ 多くの塾ではノートの取り方から指導をする
最近では、多くの塾が生徒にまずノートの取り方から指導します。それは、まず先にノートの取り方を教えた方が、後々の学習効率がひじょうに高いことを理解しているからです。
余談ですが、もし、そういうことをしない塾であるならば、面倒見が悪い塾かもしれません。特に個別指導塾でノートの取り方を指導されないなら、相当問題があると言えるでしょう。
ただ、ノートの取り方といった習慣は、本来はご家庭でしておかなければならないことです。やや厳しい言い方をすると、ノートの取り方一つで、その子がどのように育てられたかもわかってしまうのです。
■ ノートの取り方の参考となる書籍
以下にノートの取り方の参考となる書籍・ノート類を紹介しておきます。特に成績が伸びない小学生をお持ちの親御さんで、家庭学習としてノートの取り方を何とかしたいという場合、参考になるでしょう。
・中学受験超難関校合格!頭のいい子にも勝てる算数まとめノート
刺激的なタイトルですが、中学受験における算数のノートの取り方の参考になります。特に算数のノートが汚い子にはおすすめ。
・ノートの書き方 教科書
ノートの書き方全般を指導してくれる本。受験用ではありませんが十分に対応しています。
・子どもに教えてあげたいノートの取り方
花まる学習会の高濱正伸先生による本。これは特に親御さんに読んでほしい一冊。指導する立場からノートの重要性を説いているので、説得力があります。
■ ノートはジャポニカの方眼が使いやすい
ノートについてはドット入りのノートも売れていますが、小学生の場合はドット入りよりも方眼ノートのほうが使い勝手がいいかもしれません。
多くの小学生が使っているジャポニカの10ミリ方眼がやはり使いやすいようですね。「算数まとめノート」の本のデザインにも使われています。
いずれにせよ、ノートの取り方で合否は決まるかどうかわからないが、特に成績が伸びない小学生の場合、学習効率が落ちている原因のひとつになっているであろうということをお伝えしたいと思います。
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