■ 大学入試で人気の出典作者

2012年度の大学入試の問題では、内田樹(うちだたつる)先生の文章が出典としてよく出題されました。内田先生は1950年東京都出身、東京大学文学部卒。倫理学が専攻で、現在は神戸女学院大学の名誉教授です。

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※画像はイメージ 画像:足成

内田先生はご自身でブログ(「内田樹の研究室. みんなまとめて、面倒みよう」)を持っています。著書の大部分は、このブログで書かれた内容を編集者がまとめたものだそう。

ブログ中では、大気中の二酸化炭素濃度上昇と温暖化の関係は実証されていないと示し、「地球温暖化で何か問題でも?」と主張するなど刺激的な論を展開しています。

他にも、多角的な視点から現代日本が抱える諸問題について語り、紛れもなく現代日本を代表する論客の一人であると言えるでしょう。

また内田先生は、そのユニークな経歴や人柄で知られます。以下にWikipediaより経歴を引用します。

  • 東京都大田区下丸子に生まれ育つ
  • 当時の友人間では、内田が勉強をしている姿を見たことがないという、伝説がある
  • 都立日比谷高等学校に進むが、高校2年で成績が学年最下位になり、のち品行不良を理由に退学処分を受け、ジャズ喫茶でアルバイトをする
  • 大学検定試験を経て東京大学を卒業
参考:内田樹(Wikipedia)

今後も引き続き、内田先生の文章は、国立大学や早慶(慶応は論文)、上位校の入試現代文での出典が予想されます。国立大学や私立上位校を目指す受験生は必ずチェックしておきたい出典作者です。

また、大学受験の国語・現代文を指導されている方にも必読の書になるので、おすすめの本を何冊かあげておきます。


■ 呪いの時代

2011年11月に出版された本で、2012年現在、本屋さんで平積みされています。読み易く、大学入試で必要とされるテーマも盛り込まれています。2013年度入試の出典としてマークしておきたい一冊です。

呪いの時代
内田 樹
新潮社
2011-11


■ 下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち

読み物としても大変面白い本。表題をテーマに「格差社会」などについて論じます。



■ 日本辺境論

日本論を論じた一冊。本書からの大学入試出典が多いので、一度は読みたいところ。

日本辺境論 (新潮新書)
内田 樹
新潮社
2009-11


■ 「おじさん」的思考

エッセイ。読み物として面白い。

「おじさん」的思考 (角川文庫)
内田 樹
角川書店(角川グループパブリッシング)
2011-07-23


■ 街場のメディア論

情報系学部を目指すなら(慶應・環境情報学部、明治・情報コミュニケーション学部など)必読。MARCHの経済・経営系統でも出やすそうな文章です。

街場のメディア論 (光文社新書)
内田 樹
光文社
2010-08-17


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