■ 受験に必要な計画性・時間感覚という能力

今日は子供に計画性や時間感覚をつけさせることの重要性について。もしかすると皆さんのお子さんなら、すでに身についているかもしれませんね。

a0150_000094
※画像はイメージ 画像:足成

■ 計画性と時間感覚の重要性

子供が勉強するうえで計画性と時間感覚を持つということはとても大切なことです。計画性を身につけることも、時間感覚を身につけることも、要は子供を「だらだら勉強させない」ということにつながります。

椅子に座ってさえいれば誰でも平等に時間は過ぎていきます。ほとんど何もしていないのに椅子に座っているだけで勉強をした気になるのはとても危険なことですね。でも意外とそういう子供さんは多いのです。

椅子に座って時間を使った以上は何かしらの学習項目を身につけなければならない。そして次にまた椅子に座ったら次の学習項目を身につけていく…。そのスモールステップの繰り返しが子供の学力を向上させ、最終的には志望校合格へ導くのだと思います。

そして、そのためにはやはり計画性と時間感覚を身につけさせることが重要なことであると考えます。


■ 「見える化」で計画性を身につけよう

子供に計画性を身につけさせるのには可視化、すなわち「見える化」が一番有効です。

例えばテキストを1冊仕上げたい場合には、1日何ページできる、何日で終わらすかなどをきちんと考えて必ず計画表を作りたいところです。そして計画表に毎日記録をつけていく。

1日の目標ページ数に達しなくても、とにかく日付や点数といった記録をつけましょう。もしお子さんがまだ低学年ならば、テキストの目標のページ数をできた際には、かわいいはんこを押してもいいでしょうね。

今でもありますが夏休みのラジオ体操。私が子供のころ、ラジオ体操に行くとカードにはんこを押してもらえました。一つが二つ、二つが三つと貯まっていき、子供心にとても楽しいものでした。あのラジオ体操のカードは子供心をくすぐる、よくできた仕組みだと思います。


■ 一度はずみ車を回してしまえば後が楽になる

子供とは単純なもので、そういった少しの工夫でやる気になるものです。計画を立てるということだけでなく、計画を達成できたら日付や点数をきちんとつけること、はんこをもらったりほめてもらうこと、そんな些細な「見える化」をしていくことで、子供は必ず今日より明日は頑張ろうとします。

そして最終的には、自分で1冊のテキストを何ページやるか、そのためには何日必要か、時間はどれくらい必要かを考えて、子供自身が自分の手で計画表を作るようになります。もしお子さんが、今現在一人では何もできないようであるならば、ぜひ計画を立てる作業から一緒にしてあげてください。

最初は面倒な作業になりますが、一度はずみ車を回してしまえば、必ずその後の自宅学習に役立ちます。そのはずみ車を回すのは、やはり親御さんではないかと思います。お子さんを早い段階で一人で計画性を立てることができる子にしてあげてほしいと思います。


■ 試験に役立つ時間感覚

子供が自分自身で学習計画を立てることができるようになったら、次は時間感覚を身につけたいところです。これは、例えば1時間あったら自分は何ができるか、漢字ドリルを何ページできるか、計算問題なら何問解けるか、そういった感覚を自分自身で分かる能力です。

この時間感覚の能力は、自宅学習以外にも試験を受ける際に役立ちます。普段からこの時間感覚を磨いておけば、試験の際に戦略的に時間を使うことが可能になります。点数を取れる問題に集中的に時間を使ったり、捨て問題や難問を後回しにするといった時間の使い方が上手な子になるでしょう。


■ 頭の良い子が試験に落ちる理由

残念ながら、能力が相当高いはずなのに、この時間感覚の能力が身についていないために模試で大きく失点してしまう生徒も中にはいます。そういったお子さんで最後まで時間感覚の能力が身につかなかった場合、やはり受験で不合格になってしまう可能性も高くなります。「あの子は頭がいい子なのにどうして…」というのは案外このパターンが多いように思います。




■ 親御さんだからこそできること

この計画性と時間感覚の能力を早い段階でお子さんに身につけさせてしまえば、受験勉強のみならずその後の学習においてもも楽になりますし、大人になってからも、きっと役に立つ能力だと考えます。

親御さんにぜひお願いしたいのは、もしお子さんが机に座っているだけで勉強した気になっていたり、テキストが何も進んでいないのであれば、ぜひ早期にこの計画性と時間感覚の能力を身につけさせてあげてほしいということです。普段、生徒と一緒に過ごす機会が多い親御さんだからこそできることではないかと思います。

  1. 計画を立てる
  2. 計画を実行し進み具合をチェックする
  3. 結果から反省をし次の計画を実行、あるいは新しい計画を立てる

このサイクルを早期に作り上げ、少しずつ自分でやらせてみることが大切です。最初は親御さんが進み具合をチェックしたり計画を立てるのにアドバイスをしてあげてください。もしお子さんが自分でできるようであれば、お子さんの主体性に任せてあげてください。

最終的な目標は「子供自身が自分で何でもできるようになること」。少しでもお子さんが主体性を持ち計画性や時間感覚を意識するようになってきたら、おおいにほめてその能力を伸ばしてあげてください。


関連記事

国語学習・英語学習における音読の重要性
受験合格の秘訣:親の役目は子供が勉強できる環境作り
「一夜漬け(いちやづけ)」は効果がないのでやめたほうがよいという話

このエントリーをはてなブックマークに追加