後手後手に回る印象を受ける法政大学第二中・高等学校

今回は、法政大学第二中・高等学校について。
同校の受験を考えている親御さんは参考にしてください。

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画像:街画ガイド


神奈川大学付属に差をつけられた法政大学第二中・高等学校

今から5年ほど前は神奈川大学付属とそれほど差がなかった法政大学第二中・高等学校、
すでに神奈川大学付属が一歩リードした印象を受けます。

六大学の附属というポテンシャルを持っていた法政二中・高等学校の近年の凋落ぶりは、
指導する側としても、とても悲しい気分になります。

しかし、それは決して法政二中・高等学校や法政二中・高等学校に通う生徒の責任ではなく、
母体である法政大学の責任であると私は思います。



母体の法政大学にぜひとも頑張ってほしい

法政二中・高等学校の人気が下がったのは、
法政大学の不人気(あえて書かせてもらいます)の影響だと考えるのです。

大学のくくりにMARCHという概念があります。


明治・青山・立教・中央、そして法政

法政大学は一部ではこのMARCHから陥落するのではないかと言われていますが、
体感的には既に数年前には陥落しています。

その理由は首都圏の受験生からの圧倒的な不人気さ。
受験生に、まず一番初めに選択肢から排除されるのが法政大学なのです。

今から約20年近く前は、立教・青山中央・明治・法政の図式だったそうです。

立教・青山は当時から女子に人気のキリスト教系の大学。
中央・明治・法政はどちらかというと男臭い大学の代名詞でした。

そして、中央・法政が八王子に移転。
ここで中央がイメージ戦略に成功し一歩抜け出ます。

新学部の設置(政策科学部)や、カフェ方式の学食の導入など、
言い方は悪いですが、女子受けの良い大学に変化していきました。
この時点での図式は立教・青山>中央>明治・法政



大学受験では圧倒的に明治が人気

そしてその次に起きた明治大学における芸能人の入学ラッシュ
ならびに明治大学出身者の芸能界での活躍。

もちろんそれだけではありませんが、本当に不思議なもので、
山下智久や向井理といったいわゆるイケメンが大学の卒業生だということだけで、
男子も女子も、明治大学を志願するようになりました。

そしてもう一つ。
当時、女子生徒に「何で明治を受けるのか?」と尋ねたところ。
「立地」という回答が多かったのが印象的でした。

ここ数年、明治大学は早稲田大学を抜き志願者一位の座を得ていますが、
やはり立地によるところは大きいのではないかと思われます。
特に東京の城南地区の生徒にとっては、八王子はやや遠いようです。

そして現在では明治>立教・青山>中央>法政という体感的イメージになります。
もっと言うと、明治>立教・青山>中央・学習院>明治学院・国学院・法政

もちろん、法政大学が無策だったわけではありません。
市ヶ谷キャンパスしかり、女子受けのしやすい学部の新設しかり、
策は練っているのですが、どうしても後手後手に回り、
迷走しているようにしか見えないのが実情です。

さらには、不人気になったのにいまだに入試問題が難しめ
この状況が改善されない限り、人気の回復は永遠にないと考えます。

そしてそのあおりを受けたのが、各附属の学校ではないかということです。
大学の人気が凋落しているわけですから、附属に通うことで何のメリットも生じない



城南地区・横浜地区の競合校の躍進が目立つ

例えば法政二中・高等学校であるならば、
選択肢として同レベルの青稜中などが出てきます。

大学進学で、明治・青山を目指していくことになっていくわけです。
あわよくば早慶を狙うことも考えられる。

さらには東京都市大学附属・等々力の躍進。
中央大学付属横浜の人気。

法政二中・高等学校は偏差値、志願者を減らしてもおかしくない状況が続いています。
法政二中・高等学校を受験することのメリットと進学校に通うことのメリットを
常にご父兄は天秤にかけています。

仮に親御さんがコストパフォーマンスが良いと考えるならば受験を決定するでしょうし、
6年間の授業料が、コストパフォーマンスに見合わないのであれば受験しない
ただそれだけのことです。

また、場所的には最寄り駅が東急東横線・武蔵小杉。いい場所のはずです。
しかし、忌憚なく言うと川崎エリアはやや教育環境には不向きではないかと個人的に思います。

近年は高層マンションが立ち並んでいますが、
やはり工業都市以来の空気感が残っているのは確かかもしれません。

そんな雰囲気が法政二中・高等学校のバンカラな生徒を生み出すと言えばそれまでですが、
法政二中・高等学校、数年後には共学化を検討しているそうです。

私だったら、やはりもう少し受験生に頑張ってもらい、
中央大学附属横浜神奈川大学附属を狙わせたいところです。
もしくは先ほど述べた青稜

参考:首都圏模試における80%合格ライン(2013年)

  • 法政二中
    58
  • 神奈川大学付属中
    61
  • 東京都市大学等々力中
    60
  • 中央大学付属横浜中
    59
  • 日本大学中
    54
  • 青稜中
    56
  • 田園調布中
    59
  • 八雲学園中
    55


女子ならば八雲学園玉川聖学院に入れて推薦で青山・立教を目指す。
トキワ松から明治を狙ってもいいかもしれません(トキワ松からは慶應にも合格者が出ています)。

それが教える側としての正直な印象です。

法政大学第二中・高等学校の校風、生徒がどのようであるか知りたいのであるならば、午後3時以降に武蔵小杉のマクドナルドに行けばよく分かります。

ちなみに受験をされる際には母集団の多い集団塾のデータを活用することは必須。
個別指導塾よりも集団塾を利用された方が良いかもしれません。




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