■ 「一夜漬け」よりも効果のあるテスト前の対策方法とは?

今日は「一夜漬け(いちやづけ)」についてのお話しをします。皆さんもきっと、一度は経験したことがあるかもしれませんね。

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■ しないほうがよいとわかっていても「一夜漬け」してしまう不思議

「一夜漬け(いちやづけ)」とは、定期テストをはじめとする、何かしらの試験の前日に、勉強量の不足を補うために"徹夜"で勉強する勉強法のことです。文字通り「一夜(一晩)」で、なんとか暗記すべき項目を頭に詰め込もうというものです。

ちなみに、イギリスのある大学で行われた調査では、学生のほとんど全員が、テスト前に「一夜漬け」をする習慣があると回答したそうです。どこの国でも、学生は苦労をしているようですね。

試験前の「一夜漬け」は効果があると感じている人も多いでしょうが、やはりイギリスで行われた研究結果によれば、残念ながら期待されているほどの効果はないんだそうです。

大人になって改めて考えてみると「それはそうだよな」と思えるのですが、学生にとってはそうはいきません。私自身も学生時代は「(勉強をしておらず)これはヤバい」という状況が多々あり、その度に寝るか一夜漬けをするか悩んだ挙句に一夜漬けを行い、結局あろうことか試験中に寝てしまった経験が、それこそ何度もあります。

当の本人にとっては、もう追い込まれた極限状態なわけですから、冷静な精神状態ではないのです。たとえ「これは寝たほうがいい」と頭ではわかっていても、とりあえず徹夜をして教科書を眺めたり、何度も繰り返し暗記項目をノートに書くことによって、「なんだか勉強してるぞ」「明日は大丈夫だぞ」と思い込みたいものなのです。少なくとも私にとってはそうでした。

そのような私自身の経験を踏まえたうえで、試験前の「一夜漬け」はできる限り避けたほうがよいということを皆さんにお伝えしたいと思います。


■ 睡眠は「短期記憶」を「長期記憶」に移行させる

「一夜漬け」によって削ることになる睡眠。この睡眠には記憶を定着させる働きがあるとされています。皆さんも「短期記憶」と「長期記憶」という言葉を聞いたことがあると思います。日常生活の中で蓄えられた「短期記憶」は、睡眠という作業を通して「長期記憶」へと移行していきます。つまり、私たちが寝ている間に、日常生活の中で蓄えられた情報を、「これは必要な情報」「これは必要ではない情報」と取捨選別しているのです。

ですから、もし学校や塾の授業をあまり集中せずに聞いていた場合、一応「短期記憶」には残りますが、睡眠という取捨選別によって「これは必要ではない情報」とされ「長期記憶」へと移行していかないのです。そして次の日には、きれいさっぱりと忘れてしまっているのです。

しかし、学習によって得た知識である「短期記憶」を「長期記憶」へとスムーズに移行させることは、実はそれほど難しいことではありません。毎日同じ項目を復習すればよいだけなのです。そうすれば、脳は「これは毎日入ってくる情報だから、必要な情報なんだな」と勝手に思ってくれて、「短期記憶」から「長期記憶」に移行させてくれます。だから勉強ができる生徒は復習を重視していますし、復習はとても大事なことなのです(ちなみに、学年が上がるにつれて覚えるべき項目が多くなってくるので、その復習マネジメントが重要になってきます)。

一番効率のよい勉強方法というのは、この脳の仕組みを利用して、夜、寝る前にその日の復習をして、翌日の朝、もう一度その内容を反復学習するというものではないかと個人的には思います。私自身の話で言うと、大学受験の際、英単語をこの方法で学習して比較的簡単に単語集を1冊覚えることができた記憶があります。


■ 睡眠不足は試験の敵

話を「一夜漬け」に戻すと、「一夜漬け」は睡眠を一切取らない学習方法です。仮眠すらとらないとなると、丸々24時間以上起きていることになるでしょう。それだけの間、睡眠をとらないとなると、試験中の集中力は確実に落ちます。果たして、時間をかけて覚えた内容を全て思い出せるかも疑問なところです(私自身、正直に言うと、一夜漬けした内容は見事に覚えていませんでした)。

ちなみに科学的にも睡眠時間をとらずに連続して起きていると、脳機能(大脳)に影響を与え、記憶力や集中力が低下するとされています。私自身の経験からいっても、やはり睡眠不足の状態では、記憶力や集中力のパフォーマンスが相当落ちます。ですから寝るか一夜漬けをするかを悩むのであるならば、迷わず寝てしまうことをおすすめします。

また人によっては「いや、僕は一夜漬けが得意だよ」という人がいるかもしれません。しかし、あくまで一夜漬けは一夜漬け。きっと(というより絶対)試験が終わった後に復習をすることはまずありません。そうすると、先ほどの「短期記憶」と「長期記憶」の特性を考えても、あくまで一夜漬けで勉強した内容は、単に「短期記憶」として処理され、「長期記憶」へと移行していかないのです。それはそれで勉強の効率を考えるとなんだかもったいない気がします。




■ 「一夜漬け」よりも効果のあるテスト前の対策方法

中には、どうしても「一夜漬け」せざるを得ない人たちもいるでしょう。私の話ではありませんが、追い込まれた極限状態で冷静な精神状態ではないはずです。そんな人には、とりあえず「最低限覚えたいポイントを1時間で覚えてください」「そして寝てください」「さらに朝起きたらそのポイントを再度声に出したり(音読)、ノートに書くなどして覚えてください」というアドバイスをおくります。

「一夜漬け」をしてなんだか勉強した気になって、集中力が落ちた状態で試験に挑むのであるならば、短時間でも睡眠をとった方が得策です。寝る前と朝起きた後に同じ内容を学習することは効果がありますし、「長期記憶」としても残りやすいものです。少なくともこの方法は、「一夜漬け」するよりも効果があると言えます。


■ 「一夜漬け」は、やっぱりやめたほうがよい

と、以上「一夜漬け」について思うところを述べました。やはり大切なのは、普段からの学習マネジメントをしっかりとすることで、「一夜漬け」をしなければならないような状況を作らないということかもしれません。

「短期記憶」と「長期記憶」の特性から言っても、「一夜漬け」というのは非効率な学習方法です。もし、これを読んでいる生徒さんが、まさに「一夜漬け」の最中であるならば、きっぱりこれを最後にしてほしいと思います。それがきっと皆さんのためにもなるでしょう。


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