■ 11月の下旬から12月にかけての打診が多い4科目受験から2科目受験への変更

今回は中学受験の4科目受験から2科目受験への変更についてのお話をしたいと思います。親御さんだけでなく生徒も塾の先生も悩むことが多い問題ですね。

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※画像はイメージ 画像:PAKUTASO

■ 「消極的選択」としての2科目受験

中学受験を目指すにあたり、最初から2科目受験を前提に受験勉強をしている親御さんや生徒さんは、ほとんどいないのではないでしょうか。

どうしても社会・理科が苦手であり偏差値が伸びないため、2科目受験を選択せざるを得ないという「消極的選択」の結果、2科目受験になるケースが多いようです。

だいたい11月の下旬から12月にかけて、親御さんが模試の結果(社会・理科の偏差値が伸び悩んだもの)を見て塾側に打診してきます。「社会・理科が伸び悩んでいるので2科目受験を検討したいが塾の先生に決めてもらいたい」と。


■ できれば親御さん主導で方向性を決めてもらえるとありがたい

おそらく多くの塾の先生は、親御さんから「4科目受験から2科目受験への変更の判断を決めてほしい」と言われたら、かなり悩むはずです。

もし夏前あたりから「最悪の場合、2科目受験で」というコンセンサスがなされていれば、状況を見極めてきたはずですから即答できるでしょう。

しかし急に2科目受験への変更、さらに志望校の変更という話が出てきたならば、(11月の下旬から12月にかけての時期ならば、すぐに回答しなければならないのですが)どうしても2・3日は悩む問題となります。

できれば早い段階(遅くとも9月あたりまで)でコンセンサスを決めておくか、親御さん主導で方向性を決めてもらったほうが、ありがたいと言えばありがたいのです。もちろん、その見極めのための情報提供はどの塾の先生もしてくれるはずです。

ただやはり塾の先生にとって、4科目受験から2科目受験への変更を判断することは、躊躇することなのではないかなと思います。


■ 塾の先生が4科目受験から2科目受験への変更の判断を躊躇する理由

では、なぜ塾の先生が4科目受験から2科目受験への変更の判断を躊躇するのかを考えてみましょう。

それはズバリ2科目受験の難易度と倍率です。一般的に2科目受験は4科目受験よりも難易度と倍率が上昇します。同じ中学で4科目受験と2科目受験を実施しているケースがわかりやすいかもしれません。2科目受験のほうが難易度と倍率が上であることが多いのです。

そして2科目受験でライバルとなる生徒たちも、社会・理科が苦手であり偏差値が伸びないため、2科目受験を選択してくることがほとんどであり、中には国語・算数がずば抜けてできる生徒も少なくありません。2科目受験を選択する際には、国語もしくは算数、できれば両方の科目が武器になるくらいでないと、合格の可能性は決して高くはならないのです。

逆に言うと、4科目受験の場合では、中堅校でさらに倍率自体がそれほど高くないのであるならば、国語・算数が普通にできて、仮に1科目社会か理科で失敗したとしても合格する可能性は0ではないのです。4科目受験のように科目数が多いと、1科目失敗したとしても残りの3科目で挽回できる余地が残されているのです。

ところが2科目受験では、国語もしくは算数どちらかの科目が失敗した時点で不合格です。


■ 塾の先生側から打診してくるケースもある

塾の先生は上記のことを踏まえつつ、残された日数で国語や算数の得点力をさらに向上させることができるか、受験校の試験の特徴はどうなのか、さらには受験の動向や親御さんの希望までトータルで考えたうえで、4科目受験すべきか2科目受験すべきか天秤にかけて判断をしなければなりません。

このような事情から、11月の下旬から12月にかけて親御さんから急に2科目受験変更への打診があり「塾の先生に決めてほしい」と言われた場合に、塾の先生は変更の判断でものすごく悩むのです。

ただ、その一方で生徒が国語か算数が抜群に強く、「この子は2科目受験のほうが合っているかな」と塾の先生側が考えているケースもなくはないので、そのような際には即答できるでしょうし、場合によっては塾の先生側から打診してくることもあるでしょう。もし塾の先生側から打診してきた場合には、2科目受験のほうが合格しやすいと確信しているからだと考えてよいでしょう




■ 4科目受験から2科目受験への変更の判断のポイント

あくまで私個人の主観ですが、4科目受験から2科目受験へ変更する際の判断のポイントを挙げてみます。

・模試の社会・理科の得点や偏差値はあくまで目安。志望校の過去問題に合うか合わないかを重視する。

・国語か算数どちらかが得意である(模試で志望校の合格ラインの偏差値を5ポイント以上、上回っている)。

・国語、算数ともに志望校の過去問題との相性がよい、もしくは対応できている。

・生徒が国語、算数両方の科目に対する苦手意識がない。

・ケアレスミスが少ない(基本問題を確実に得点できる)。

・残りの時間を国語、算数の学習に充てることで、さらなる得点力の向上が見込める。

このあたりをひとつの参考にしてください。

特に、もし社会・理科の模試での得点や偏差値が低くても志望校の過去問題には合う場合(こういうケースは多いものです)、私は4科目受験を目指した方が得策だと思います。その場合には、社会・理科で問題が合う(類似傾向である)学校を塾の先生に聞き、受験戦略を組み立てる方向を模索してみてもいいのではないかと考えます。


■ 4科目受験から2科目受験への変更の時期は早ければ早いほうがいい

いずれにせよ4科目受験をするか2科目受験をするかの最終決定は、できれば親御さん主導で早い段階で答えを出して行ってほしいと思います。当たり前のことですが、変更の時期は早ければ早いほうが合格の可能性は高まるでしょう。


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