■ 入試問題にはスピード型とパワー型がある

今回は「入試問題にはスピード型とパワー型がある」というお話。

中学受験・高校受験・大学受験、いずれの場合においても、志望する学校の入試問題がスピード型なのかパワー型なのかを見極め、それぞれに合った学習をすることが合格への近道となります。

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※画像はイメージ 画像:足成

■ スピード型の入試問題とパワー型の入試問題の違いとは?

「入試問題にはスピード型とパワー型がある」と言ってもピンとこない人が多いかも知れません。そこで、まずはスピード型の入試問題とパワー型の入試問題の違いを考えてみましょう。


■ スピード型の入試問題の特徴

まずはスピード型の入試問題の特徴から。

《スピード型の入試問題の特徴》
・短答式問題中心
・基本問題が多く出題される
・瞬間的なアウトプット能力が要求される
・ケアレスミスが致命傷になりやすい
・合格者平均点が高い

生徒さんなら社会の一問一答式の問題、親御さんなら自動車の運転免許の筆記試験をイメージするとわかりやすいかもしれません。

制限時間内に基本的な問題をガンガン解いていくタイプの入試問題。それがスピード型の入試問題です。

スピード型の入試問題は問題自体の難易度はそれほど高くないものの、当然、周囲の正答率が高くなるため、ケアレスミスが致命傷になりやすいという特徴もあります。


■ パワー型の入試問題の特徴

一方、パワー型の入試問題の特徴はどのようなものでしょうか。

《パワー型の入試問題の特徴》
・記述問題が多めに出題される
・難易度の高い問題が多い
・教科書の範囲外から出題されることもある
・スピード型に比べ"深い思考"が要求される
・合格者平均点が低い

パワー型の入試問題の最大の特徴は、スピード型に比べ"深い思考"が要求されるという点。

受験生に"深い思考"をさせるためには、例えば記述問題が多くなったり、難易度の高い問題を数多く出題したり、時には教科書の範囲外から出題されることもあります。

そのため、パワー型の入試問題を出題する学校では、スピード型に比べ合格者平均点が低くなりがちです。


■ 中学受験での例-慶応はスピード型の入試問題

中学受験の国語や社会を例にすると、慶応中等部(慶応普通部・慶応湘南藤沢)・青山学院・渋谷教育渋谷(渋谷教育幕張)・桐蔭学園などが伝統的にスピード型の入試問題を出題してくる学校、同様に麻布をはじめとする御三家中学や芝などがパワー型の入試問題を出題してくる学校という印象があります。

特に慶応や青山学院は中学から大学に至るまで、一貫してスピード型の入試問題を出題する傾向(一部慶応文学部の英語問題などの例外はありますが…)があり、あくまで個人的な感想ですが、それがそのまま校風であったり生徒の特長に反映されている印象を受けます。

例えば慶応や青山学院出身の方は、世間一般的には「要領がよい」という評価が与えられているようです。その背景には、このようなスピード型の入試問題が影響しているのではないかと思います。


■ 大学受験での例①-センター試験はスピード型の入試問題、国公立二次試験はパワー型の入試問題

大学入試だと、短答式問題が中心となるセンター試験はスピード型の入試問題、記述問題が中心となる国公立二次試験はパワー型の入試問題に分類できるでしょう。

国公立大学の入試に対しては何かと批判も多いのですが、個人的にはスピード型のセンター試験とパワー型の二次試験がバランスよく組み合わさった、一概には悪いとは言えない入試システムなのではないかなと感じます。

ちなみに、先ほど例として挙げた麻布をはじめとする御三家中学などがパワー型の入試問題を出題してくる理由は、国公立大学、特に東大の二次試験に対応できる思考力を持った生徒をとりたいという意図があるのではないかと容易に推測できます。


■ 大学受験での例②-早稲田大学・上智大学の入試問題はスピード型とパワー型のハイブリッド?

私立大学の例を挙げると、慶応や青山学院の入試問題がスピード型の代表例であるとするならば、早稲田や上智の入試問題はスピード型とパワー型のハイブリッドであると言えるでしょう。

早稲田や上智の入試問題は、慶応や青山学院同様に短答式問題がメインとなるため、一見するとスピード型の入試問題のようにも見えますが、慶応や青山学院に比べ全般的に難易度がやや高い入試問題(例えば早稲田の世界史や上智の英語の英単語レベルなど)ではないでしょうか。また両校の入試問題の構成からは、受験生に対してより"深い思考"を要求していると感じます。

早稲田や上智は、伝統的に慶応や青山学院に比べ合格最低点が低いのですが、この点も早稲田や上智の入試問題がパワー型寄りである証左かもしれません。


■ 自分が志望する学校がスピード型なのかパワー型なのかを知る

以上がスピード型の入試問題とパワー型の入試問題の違いです。

そして自分が志望する学校の入試問題が、スピード型の入試問題なのかパワー型の入試問題なのかを知ることはとても大切なことになるのです。

たいていの場合は過去問題集の講評や合格最低点を見たり、実際に過去問題を解くことでスピード型入試問題なのかパワー型入試問題なのかはわかるでしょう。

もしわからなければ、塾や予備校の先生に入試問題を見せて尋ねるといいかもしれません。多くの入試問題に触れている塾や予備校の先生は、直感的にスピード型の入試問題かパワー型の入試問題かを(スピード型やパワー型という言葉は使わないでしょうが)見分けられるはずです。

中学受験・高校受験・大学受験、いずれの場合においても、自分が志望する学校の入試問題がスピード型なのかパワー型なのかを見極め、それぞれに合った学習をすることが合格への近道となることは言うまでもありません。




■ 受験校選定をする際には、"自分が得意とする入試問題の傾向"の学校を組み合わせて受験することもできる

さらに受験校選定をする際には、"自分が得意とする入試問題の傾向"の学校を組み合わせて受験することで、合格率を高めることもできます。

受験生がスピード型の入試問題を得意とするならば、スピード型の入試問題を出題する学校を軸に併願や滑り止めなどの受験校選定をする。受験生がパワー型の入試問題を得意とするならば、パワー型の入試問題を出題する学校を軸に受験校選定をする、といったような受験戦略をとることができるからです。


■ 過去問題の学習もスピード型とパワー型を考慮するとよい

自分の志望校以外の学校の過去問題を利用した学習においても、スピード型とパワー型の分類を活用することができます。

「自分が志望する学校と偏差値が同程度だから解く」のではなく、自分が志望する学校がスピード型(パワー型)の入試問題であるならば、偏差値を気にせずにスピード型(パワー型)の入試問題を出題する学校の入試問題を優先的に徹底的に解くことで、効率的な学習ができる場合もあるのです。


以上、参考にしていただければ幸いです。


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